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夏の終わりに
第19章 安息 ②
「ここも、触られた?」

指が茂みに絡んできて、千里は小さく体を震わせた。

「触られた、よな?あんな…っ、破られて……あいつ入れようとしてたし、触られてないはずないよな?」

おずおずと見上げると、浩人は苦痛に顔を歪めて泣いていた。許しを乞うように千里を見つめ、額を押しあててくる。

「ヒロ兄ちゃん…、」

「……間に合わなくて、ごめん」

千里は浩人の涙に手を伸ばしながら、何度も首を横に揺らした。

「間に合ったよ?…っ、ありがとう」

必死に抵抗して暴れようとしたけれど上手くいかなくて、中を掻きまわされ、ショーツを引き裂かれた。けれど、それ以上のことはなかった。

浩人が助けてくれたから

「…ありがとう」

千里はもう一度囁いた。
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