この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の終わりに
第20章 安息 ③
おずおずと近づいてくる気配がして、バスタオルでふんわりとくるまれた。

抱き寄せられる。
その感触が心地よくて胸が一層苦しくなる。

「優しくしないで」

同情しているだけなら。
触れてくるのが、ただの欲望なら。

期待させないで。


きつく包み込む腕をほどこうとして、千里は何度ももがいた。
こんな時でさえ、浩人の優しさを勘違いしてしまいそうになる自分が情けなかった。

「……嫌だ」

掠れた声がして、バスタオル越しに回されている腕に力がこめられていく。

「……離して」

「…ごめん」

そう言って浩人は千里を一層強く抱きしめ、濡れた髪を優しく撫でた。

「…ごめん」

繰り返される謝罪が千里の涙を止めることはない。

「……お願い、離して」

浩人は深く息を吐き出し、小さく何度も首を振る。

「嫌だ。……ごめん」

怯えたように震える声に驚いて、千里は微かに息を飲み込んだ。
/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ