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夏の終わりに
第23章 繋がる想い ③
千里の上に力なく覆いかぶさってすぐに、浩人は体を起こした。
しかし、千里はしがみついて離れようとしない。

千里の中で浩人のものがビクビクと震え、最後の一滴まで絞り出している。

「ちぃ…っ」

「いやっ!もう離れたくないの」

悲痛な声に、胸が締めつけられるように痛んだ。

「このまま…が、いい。ずっと…ヒロ兄ちゃんの傍にいたいの」

頭の中で警鐘が鳴り響いている。
それでも、このまま千里の中に留まり、ずっと抱きしめていたい想いのほうが遥かに強い。

「子供が出来たら…」

想像して、喜びに体が震える。

抵抗が、全くないわけではない。
千里はまだ大学生で、彼女の立場を考えると危険を犯すべきではなかった。
浩人も、二人の両親を始め、いろんな大人から責められるだろう。

それでも―――、


浩人はじんと痛む目頭に耐え、自身が抜けないように注意しながら千里を優しく抱きしめた。
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