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夏の終わりに
第23章 繋がる想い ③
東の空が徐々に明るさを増し、紫に染まっていく。
浩人は自分の胸に寄りそう千里を撫で、静かに小さく吐息を漏らした。応えるように、千里が頬を擦り寄せる。

「ちぃ…?」

「ぅ…ん……」

浩人がそっと顔を覗き込むと、千里は瞼を閉じたまま微笑んだ。しかし息使いは浅く、すぐに寝息へと変わっていく。

浩人はベッドから落ちていた薄い掛け布団を引き上げ、千里の上にそっとかけた。

隣で安心しきって眠っている千里に、これ以上ないほどの幸せを感じる。


―――ヒロ兄ちゃん、

嬉しそうに微笑む千里を守りたい。

失敗してばかりだけど、泣かせてばっかりだけど、
それでも守らせてくれるのなら……

千里の頬に触れ、髪を撫で、摘まんだ髪先にキスを落とす。

最後にもう一度強く抱きしめてから、浩人はそっとベッドを抜け出した。
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