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BeLoved.
第43章 【彼の根底にあるもの。1】
周りを包む静寂。強烈な閉塞感。
彼とわたし、ふたりだけの世界。
「ふぁっ…、あっ…やぁっ…」
「…、ッぁ…」
突き上げられる度に響く、繋がった部分の濡れた音。打ち付けられる肌の音。衣擦れの音。車が軋む音…彼が堪えきれない嬌声。何もかも、全てが耳に入ってくる。
彼の車の中。大好きな彼の香りで満たされた空間。
そこに加わる、わたしの…雌の香り。
「っ…」
「や…、あ…ぅ…っ」
もう一度、剥き出しの首筋にゆっくり舌が這わせられていく。…味わうように。
興奮に満たされた荒い息づかいが、耳のすぐそばで響く。彼がわたしに溺れ、わたしを貪っていく。
…たまらない。視覚からも聴覚からも嗅覚からも感じられる、今までにない興奮のかたち。
大好きなご主人さま達に愛され続け
『男』を教え込まれた体と心は……
素直に溺れて、沈んでいく。
「あぁんっ…!っりゅ…せ、…いぃ…っ」
先程までの抵抗なんて嘘のよう。
でも、だめ……止められないの。
「…っおねが…っ、もっとして…もっと…っ」
「…あー…っとに未結おまえ、可愛いすぎ…」
彼がくれる全てに表情は蕩け、悦びの甘い声をはしたなく響かせた。──そしてそれは彼の望みで、彼を悦ばせる。
「……愛してる」
自分がされたように、今度はわたしの髪に指を絡めながら…流星さまは告げてくれた。彼の髪と同じ…わたしが大好きな、その漆黒の瞳に、まっすぐわたしを映して。
愛してる。その言葉はわたしにとって何よりの悦び。
ただただ嬉しくてたまらなくて縋りついた。…まるで主人に甘える、犬のように。…ちょうだい…もっと…もっと。
「っ… う!?…ぁ、…それ…っ!すご…いぃっ…!」
そんな思いを見透かすように、彼は小刻みに突き上げ続ける。その度にはしたない声は上がり、愛液は溢れた。
「あぁんっ…あんっ…ああ…っ!」
「…未結、俺にも言って?…『流星、好き』って」
快感に夢中で喘いでいる最中。
彼がそんなことを求めてきた。
…やっぱり…雰囲気が…空気が違う。
わたしの知っている彼じゃない。
…気のせいかな。ほんの一瞬、瞳に哀願の色すら浮かんでいるように見えた。
「あっ、んんっ…!りゅ…せ…、りゅうせい…っ…」
愛しさが込み上げるまま。
求めに応じようとした、その時だった。