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BeLoved.
第44章 【彼の根底にあるもの。2】

四つん這いにされて、背後から男の人を受け入れる体勢がある。捕えられ動きを封じられて。まるで…獣みたく本能のままに貪られる体勢。

わたしの…所謂『いいところ』に当たる。だからわたしは背後からされるのが好き。この体勢が大好きな『彼』からそう教え込まれた。

とは言え確かに感じ方は他の体勢とは違うし、より…乱れる。だからわたし自身も一番好きなのはそれ…と、思ってたけど…


「──あっ、んぁっ、やぁんっ」

押さえ付けられ組敷かれて動きを封じられて
気持ちいいところばかりを攻め甘やかされて。

それは普段、背後から行為している時と同じ状況。
違うのは…それらが今は『真正面』からされている事。

押さえ付け組敷き動きを封じるのは彼の腕。
捉えられ、閉じ込められたのは彼の胸の中。

この状態で、疼き続ける深部を絶え間なく突かれたら。
堕ちる、以外の道なんてわたしの狭い世界には…ない。

「あぁぁ…っ…!やっ……あ、はうぅっ!!ああんっ」

響き渡る蜜の音と止まらない嬌声は
快楽に溺れる雌のそれでしかなくて。

『激しくする』その言葉通り、彼は幾度も内襞を掻撫でる。予測できない…彼自身が望む動き方で。
それに怖気付いたのか…煽るためなのか。自然と顔が仰け反ってしまう。だけど逃れられない。違う。逃れたくない。

「〰〰…っ… ぁ…っ!!は、ぁんっ、ぅう…っ」

『激しくする』それは怖い言葉なはずなのに。
与えられるのは快楽と…"愛されている"充足感で。
募るのは翹望、溢れ出すのは蜜と声と、快感だけ…

「キスもしたいんだったよね、未結」
「ん、する…っ、いっぱい…しらぃ…っ、の…」

だらしなくはしたなく唾液と嬌声を零しながら、甘え、ねだり、縋り付くように両腕を伸ばせば。

「ん…しようね、いっぱい」
「あ、…っぅ…んんッ…」

待っていたのはちゃんと言えた『ご褒美』。抱きしめ返してくれながらの、キス。身体が繋がる前よりずっと甘くて、とろけそうで。夢中で舌を絡めた。…自分から。

「…かわいい」

その辿々しさにも浅ましさにも呆れることなく、彼は目を細めてくれた。そして今度は彼から舌を絡み返してくれる。もちろんその間も、彼自身はわたしを甘く犯し続けてくれている。

秘部でも咥内でも結ばれて、身も心も彼で包まれて。
背後でされているより満たされていることに気付いた。
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