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BeLoved.
第44章 【彼の根底にあるもの。2】
「ふう…」
やがて迎えた、昼食の時間。朝食と同様、膝に乗ってとせがまれたけど。片付けたいことがあると口実を作り離れた。
こんな状態でも、やはり麗さまは麗さまというべきか。食事には代えられなかったようで、素直に聞き入れてくれた。
口実と言いつつ、片付けたいことがあるのは本当。まずは洗濯物だ。外干しは諦め、乾燥機にかけたっきりになっていた衣類を取り出して抱え、足早に自室へと運び込んだ。
ほのかな暖かさの残るそれを、床の上にそっと置いて。側に座り込み急いで畳んでいく。
まだやることがいっぱい。次は掃除をして、買物へ行…けるかなぁ…。頭の中で段取りを組んでいたら。
背後でドアの開閉音がした。
振り向いた先には…もちろん麗さま。
後ろ手で閉めたドア前に立っている。
「…未結」
「…はい」
あれ…呼び方が戻った。雰囲気も、違…
「ねえ、セックスしよう?」
「!!」
それは今まで何度も言われた言葉。だけど、何故か。
今までのどれよりもまっすぐに胸を突いて。
返事すらできず、畳みかけの衣類を持ったまま硬直するわたしに向かって、彼は足早に近付いてきた。…そう、『エサ』に向かって、一直線に。