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BeLoved.
第44章 【彼の根底にあるもの。2】

──なんて、馬鹿なこと考えているうちに。作業していたのがベッドのすぐ脇だったのが災い(?)し、その上へとあっさり押し倒されてしまった。

「ひ…、ぃあ…っ」

抗う間もなく首筋を舌が這い上がり、耳の後ろまで一気に遡った。その熱の感触は腰の辺りをざわつかせる。

「…ゃ、っれ、ぃ… 待…っ」
「待たない」

視界は彼で覆われて。唇は唇で塞がれて。咄嗟に両手でその肩を押し返したけれど。まったく動じることなく彼の右手は衣服をはだけさせていった。…普段とは違い、忙しなく。

「や…っ、だめ、だめ…! ぁ…」

露わにさせられていく肌を舌が這いずる。時折、啄みながら。…『彼』とは違い痕を残す気は無いらしく、弱い力で。逆にそれがくすぐったくてたまらなかった。

「ゃ…いや…っ、あ……」

──『慣らされた』身体は。少しずつ…でも、確実に快感を見つけ出してしまう。お腹の奥が疼き始めているのが…わかる。逃れようと身を捩りたくても、腰に回された彼の両腕がそれを許さない。

「"なんでもする"って言ったよね、未結」
「!それは昨日の…っ、今もう…流星さまの…っ」
「大丈夫、俺は平気だから」

…だから貴方が良くてもこちらが…!誰かさんのような物言いに面喰らっているあいだも、彼は止まらない。

「俺は未結のものなんだから、未結も俺のものなの」
「…!」

──ああ、ほら。わたし、もう抵抗できない。

彼の…麗の、言葉以上にまっすぐな瞳は容赦なくわたしを射抜き、捕らえたから。そして掌に包み取られた足。甲に落とされた口付けと…宣言は、とどめになった。

「全部ちょうだい」

そして──『彼』の気遣いを無下にしてまでも、わたしがここに留まった本当の理由に、気付いてしまった。

…こうなることがわかっていたんだ。
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