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想い想われ歪なカタチ
第7章 7
「伊吹っ! 起きろッッ!! いつまで寝てるつもりだ?」


「ふあっ? あれ? 何? 今、何時?」


心地よかった眠りは流牙の怒号で打ち破られた。
身体を揺さぶってる流牙の手は、寝ぼけた私の脳を酷く揺り動かした。

薄暗い朝の光のなかで、流牙の姿を見つける。
流牙はもうすっかり、品のよいスーツを着込んで着替えをすましてる。
左手首のロレックスの時計をちらりと見る。


「もう五時半だ。30分も寝坊だぞ? 減給ものだな」


「えええっ?
 なんで私がこんな朝早く起きなきゃならないのよっ・・ってこの服・・・」


起き上がると、全裸のままなのに気づいて、慌てて羽織ってた毛布を手繰り寄せる。
枕もとを見ると、昨日の夜、来ていたメイド服がきちんとたたんで用意されてる。

・・・ってことは・・・・


「私、ずっとメイドのままなのぉ!?」


ぶー と膨れる私に、流牙はやれやれと肩を竦ませた。


「また説明聞きたいのか?何度言わせたら気が済むんだよ。
 おまえのこのなか、ちゃんと詰まってるのか?」


長い指先を優雅に伸ばして つん、と私のおでこを突付く。


「なっ! シツレー!! 流牙よりはよっぽど、ちゃんと詰まってますよーーだっ・うんっ・・・ふ」


真っ赤になって怒ってる途中に、流牙の顔がいきなり近づいて、唇を塞がれた。
さっき私のおでこを突付いた長い指が、今度は私の顎を捕らえてる。
唇をちゅっと吸われて放される。
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