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第8章 ８

「んんーーーー･･･ふーぁぁ････」

ただ意味も無く空を見上げるのにも飽きた私は、
椅子からぴょんと立ち上がると、ぐぐーーと思いっきり背伸びをした。
おまけに欠伸もひとつ。
目頭に小さく水溜りが出来る。
なんとなくごろんと横になりたい気分。

私は部屋の奥に進むと、隣の部屋へと続くドアノブに手をかけた。
隣は寝室になっている。
先ほどの半分の大きさになった空間には、
フカフカの歩き心地のする立派な絨毯がはりめぐらされており、
キングサイズよりも一回り大きいのではないかと思われる豪華なベッドが
私を甘い眠りに誘っていた。

「ふー･･ぁぁ･」

自分の要求のままに、もうひとつ欠伸をしてベッドまで歩くと
おもいっきり身体をベッドのスプリングに任せて投げ出す。
とてつもなく大きな巨人の手のひらに包まれたような感覚で、私の身体はベッドに沈む。

柔らかな日の光に、暖められた空気が気持ちいい。
こんな日のお昼寝は、何にもまして贅沢だ。

もはや、この部屋には掃除するために来たのだという最初の目的をすっかり忘れて
私が眠りに落ちるのには、数分と　もしかしたら数秒も必要ではなかった。