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想い想われ歪なカタチ
第2章 2
その流牙が主の私に何も告げずに屋敷から姿を消したのはもう一週間も前のこと。

そうして私の怒りは、限界を飛び越え、“超”限界に達してる。
ああ、しまった。“超”なんて言葉、使う気ないんだけど、わざと連発したくもなる。
このところ、流牙の勝手な単独行動は目に余る。
私の知らないところで何時の間にか、会社まで立ち上げてるらしい。
お祖父さまが流牙に甘い顔して、大学まで行かせてやるからつけあがってるのよ! 

そもそも! 他の誰でもないこの私が!! 
身寄りのない子供の集まる施設に居たチビ庶民のなかから流牙を選んで! 買ってやって!!
隠岐家の一員(あくまで使用人だけど)にしてやったというのに! 
どこで油売ってるのよ、あのバカは!! 

恥知らずに恩知らずの流牙に、きっちり制裁を喰らわせてやろうと、
パパに何度もTELしたんだけど、ちっとも繋がらない。

・・・まぁ、パパが私をほったらかすのは何時ものことだけどさ、

流牙まで!! 一体どーゆーことよ!!! 

のこのこ帰って来たのなら、言い訳なんて一秒足りとも聞かずに、
土下座させて、踏んづけて、蹴っ飛ばして、三回まわってワンとでも言わせてやるわ! 

ああ、でもそれは、以前むしゃくしゃしたときに
既にやらせたことあるような・・・

とりあえず、気晴らしにでも
目の前でおろおろ突っ立ってるこのメイドにやらせてみようかしら。
でもきっと、面白くないわね。

何やらせるも、流牙の代わりなんて居ないわ。

「お嬢様。お待たせいたしました」

そんな私の心情も知らず、メイドはカップを恐ろしく慎重に私の前に差し出した。
高価なカップだからビビってんのね。

私が気に入らないを理由に、最近取り替えたばかりの、細かなレースのカーテン越しに、
複雑に枠組んだ豪奢な窓枠の、その十字の影を落として太陽の光が、毛の長い絨毯の上に降り注ぐ。


私は蒸らしの終えた熱い紅茶を一口飲んで、焼きたてのスコーンに手を伸ばす。
クロテッドクリームをたっぷりと載せる。

うーん・・・
なんかこの、噛み砕いた時の舌触りがイマイチ。
流牙の焼いたやつならもっと、匂いも香ばしくて美味しいのに。

・・・なんかさらに腹立ってきた。
このままじゃ、頭の血管ブチ切れて死んじゃうわ――――
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