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想い想われ歪なカタチ
第4章 4
「ねえ、流牙・・・」


眠りの淵に、落ちかけながら私は呟く。


「何ですか?」


「・・昼間の ことなんだけど、 ・・・怒った?

 ・・・ほんのちょこーーーっとだけだけど・・ 悪かったと思うわ。
 許すわよ・・ね?」


発した声は、私の予想より遥かに 弱々しくなってて、
まるで流牙が怒ってるのを怖がってるみたいに聞こえたから、
私はすぐに強い口調で言い直した。


「許しなさいよ! 当然よね!?」


目を開けると、流牙は少しだけ笑んだまま、黙って
繋いだ手のひらを ぎゅっと握り返してくれた。
私も ほっとして 微笑みかえす。

そうして、すっかり安心しきった私は
すぐさま ぐっすりと深い眠りについた。

朝 起きると、流牙は 
さすがに夜間は寒かったらしく、毛布を肩から掛けていたけど
私と手をつないだままの、昨夜の最後に見たのと同じような穏やかな様相で


「おはよう御座います。お嬢様」


って、口調だけはいつものように、静かに挨拶してくれた。
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