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想い想われ歪なカタチ
第6章 6
思えば、六歳の伊吹と出会って、それから十一年間
こんなに長く傍を離れているのは 初めてじゃねーか?
・・・・
・・・・だからって、なんで俺が不安がってるんだ。
くそ。気分が悪い。
とにかく、探そう。
俺は、屋敷に数ある車のキーのうちの一つを手に取ると
あいつの消えた街中へと車を走らせた。
木を隠すなら森の中。
人が隠れるのは街の中。
続いて途絶えない人々の群れ。
しかし俺には自信があった。
どんなにうじゃうじゃ他人が居ようと、俺は必ず伊吹の姿だけは見つけ出せれると。
俺にしては余りにも無謀な、大した根拠の無い自信だった。
一瞬でも見間違えるなどありえない、そのはずが、どうやら俺もかなりヤキがまわっているらしい。
深みのある栗色。長いくせに重さを感じさせないふわふわの髪。
身長は決して低くないが、実際以上に小柄に見える華奢な身体。
伊吹に似た人影を見つけるたびにドキリとする。
次の瞬間、違うと気づいてため息を吐く。
それを何度も繰り返す。
そんな日が何日も続いた。
警察、探偵、なんでも、その筋の奴らには、片っ端から捜索を依頼した。
なのに全く足取りさえ掴めない。
こんなに長く傍を離れているのは 初めてじゃねーか?
・・・・
・・・・だからって、なんで俺が不安がってるんだ。
くそ。気分が悪い。
とにかく、探そう。
俺は、屋敷に数ある車のキーのうちの一つを手に取ると
あいつの消えた街中へと車を走らせた。
木を隠すなら森の中。
人が隠れるのは街の中。
続いて途絶えない人々の群れ。
しかし俺には自信があった。
どんなにうじゃうじゃ他人が居ようと、俺は必ず伊吹の姿だけは見つけ出せれると。
俺にしては余りにも無謀な、大した根拠の無い自信だった。
一瞬でも見間違えるなどありえない、そのはずが、どうやら俺もかなりヤキがまわっているらしい。
深みのある栗色。長いくせに重さを感じさせないふわふわの髪。
身長は決して低くないが、実際以上に小柄に見える華奢な身体。
伊吹に似た人影を見つけるたびにドキリとする。
次の瞬間、違うと気づいてため息を吐く。
それを何度も繰り返す。
そんな日が何日も続いた。
警察、探偵、なんでも、その筋の奴らには、片っ端から捜索を依頼した。
なのに全く足取りさえ掴めない。