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想い想われ歪なカタチ
第6章 6
・・・なんだか俺は、無理やり言い訳を考えているみてーだ。
伊吹にああいう仕打ちをしたのは・・・もっと俺の醜い部分も含まれてる。

伊吹の身体も、誰よりも俺がよく知っている。
そう簡単に触れることはならなかったけれど、あれが成長する様を誰よりも近くで見守ってきた。
すらりと伸びだした細い手足や、年を重ねて成長し始めた胸のふくらみや
華奢で頼りない細い身体のラインが、女特有の曲線を わずかながら身に付け始める様子を――
時には 息を止めて見ていた。
俺に許されていたのは、ただ見ていることだけ。
常に 目の前にいて、手の届かない存在。
ずっと見続けることは許されても、決して自らは触れてはならない存在。
傍若無人で我侭で、無知で何も知らない。だから穢れがない。
だから、俺の手で汚したかったんじゃねぇのか?
長年ずっと、見ているだけで鬱々と溜まった欲望を吐き出したかっただけじゃねーのか。
あいつが 憤怒で顔を染めても涙で瞳を濡らしても 構わずその白い肌を剥き出して、俺を押し付けたかっただけじゃねぇか。
あいつが俺の手で与える刺激に震えるのを 白い顔を紅く染めていくのを、見るのが面白かっただけじゃねえのか?

結局、俺はただ 伊吹を俺のものにしたかっただけか・・・。


木々をすり抜け押し寄せる風が勢いを増して、冷たい雪のつぶてが顔に撃ちあたった。
反射的に目を閉じる。
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