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BeLoved.【蜜月記】
第16章 【縮】BeLoved.

──ぺちん。
「、ぅんっ?」
熟睡から醒めたわたしは重い瞼を開けた。
視界の先に広がるのは真っ暗闇。…夜中?
寝入った頃からまだそんなに経っていないみたい。
……なに、今の。ペちん??
夢現、なにかが頬に触れたような気がした。
しかし自分で触れてみても何もない。
なんだったの?夢?…まあいいか。寝よう。
そう思い瞼を閉じた…直後。
──ぺちん!
「?!」
夢じゃない!
頬に触れられた。というか、叩かれた。
強い力じゃないけど、現実に。
堕ちかけた意識は一瞬で覚醒した。
無論、自分じゃない。
今夜寝床を共にしている彼…麗さまの身体が当たったわけでもない。
その証拠に肩越しに見やった彼は、わたしに背を向けて寝息を立てている。
「なん…」
上体を起こそうとした矢先。視界の端から……何者かの影が、ヌっと現れた!!
「み"ぎやあぁッ?!」
恐怖と混乱の絶叫が室内に響くことは無かった。
何故ならその影がわたしの口を塞いだから。
小さな手で。
「んごはへう(殺される)?!」
半狂乱になって飛び起き、寝床脇の間接照明のスイッチを叩き押した。とにかく灯り…!灯り!──点いた!!
かくして、もはやわたしの命の灯火といっても過言では無い仄かな暖色が照らした先には……
子供が、いた。

