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BeLoved.【蜜月記】
第16章 【縮】BeLoved.

──全裸で。
「なな"ッ、なん?!?」
「いや、さすがに窮屈過ぎてさ。脱いだんだわ」
混乱状態で目を白黒させるわたしとは真逆に、飄々とした口調と表情で返した彼。いや問題はそこ…もある意味大問題だけども!今触れるべきはそこではなく……彼の姿!
「も…戻ったん、デスネ…っ?!?」
そう。寝入る直前まで小さかったはずの彼の体躯が…本来の大きさに戻っていたのだ。
わたしより遥かに高い身長も、長い手足も、水泳で鍛えた筋骨も。…今みたく、仰向けのところに覆い被さられ、視界のすべてはほぼ彼なのも…見慣れたものだ。
差し込む陽の光が増すと共に、寝起きで呆けていたわたしの頭も、彼の姿も、どんどん明確になっていった。
「そ。なんでかはわかんねーんだけど」
曰く、熟睡していたが急に覚醒した。そうしたらみるみるうちに元の大きさに戻り始め・・・この現状だそうだ。
急展開すぎる…。だけど、確認しなくちゃ。
「変わり…無いですか?どこか痛むとか…」
「全然」
安定の即答。…よかった。心身に異常はないようだ。となると、切り替えの早い彼のこと。次に取るだろう行動には予想がついた。
「お、お仕事、行かれますよね?すぐ朝食の仕た」
「未結」
…が、それは外れた。
彼はゆっくりとわたしの右手を取ると、徐に自分の頬に触れさせ…瞳を伏せた。
心の底から、安堵したように。
「あー、よかった」
「、ですね…っ!一時はどうなるかと思」
「これでおまえに何があっても守れるわ」
「!り…」
真っ直ぐ見つめる漆黒の瞳は、まごうことなき彼のもの。
真っ直ぐな言葉は、嘘偽りのない、まごうことなき本心。
ああ、ほんとうの本当に、このひとは。
自分のことより、まず、わたしのことなのだ。
「てかさ、俺マジでどーなってたんだろうな?我が身ながら意味わかんなくてさ」
「うーん…とりあえず悪いものではなかったようですね…」
「ま、戻りさえすりゃ何でもいーわ」
な?と、ひとつひとつ確かめるように、彼はわたしの手を自分に触れさせていく。顔から始まり、手、腕、胸、腹。…そしてその…下。
「"抱かれる"の、嫌だからさ」
それは彼が『子供』ではない、最たる証。
この後の展開には容易に予想がついたし…正直、若干期待した部分もあったかもだけど。そうはいかなかった。
「で、お前いつまで見てんの?麗」

