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誘蛾灯
第7章 エピローグ
令和XX年三月某日。地方紙の片隅に一人の老人の死亡記事が小さく載った。県下の風俗界の重鎮と呼ばれた彼の葬式は不惑を迎えた彼の息子が喪主を務め小さな山寺で執り行われた。普通ならここは「しめやかに」と枕を入れるのだろうが参列者は口を揃えてどちらかと言えば華やかだったと答えた。
火葬場に向かう山道の左右は上は百近い老婆から下は学生服を着た若者まで千人を越える女性で埋め尽くされて最後の別離を惜しんだそうだ。噂ではこの女性達全員が故人のお手付きだったそうだ。
西東翔琉。享年93歳。見事な大往生だった。
-完-
火葬場に向かう山道の左右は上は百近い老婆から下は学生服を着た若者まで千人を越える女性で埋め尽くされて最後の別離を惜しんだそうだ。噂ではこの女性達全員が故人のお手付きだったそうだ。
西東翔琉。享年93歳。見事な大往生だった。
-完-