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Secret space
第9章 9
「何をなさるのですか!!」


実和が慌てて駆け寄って、紗織の身で庇うように覆い被さった。


「お前は引っ込んでろ!!」


「ぅアッ・・・・」


精司の前に割り込んで止めに入った実和を
力任せにぐいと引き剥がして、畳の床に強く張り倒す。

実和が伏せって呻く間に、精司はどこからか取り出した紐で、
まだ眩暈に悩まされている紗織の、脱力した両手を上に挙げさせると、
その頭上のベッドの枠の金具に縛り付けた。


「う・・っ・・・・ 痛・・・・何・・するの・・ ほどいて」


自分の手首に縄が食い込む痛みにまた顔を顰め、紗織は男を睨みつけた。


「お前、けっこう生意気な女だな。
 まぁその方が遣り甲斐があるがなぁ」


手の自由を奪われた紗織のうえに圧し掛かったまま、
精司は自分の上着を一枚脱いだ。

自分の状況を正しく理解して、紗織は凍りついた。
精司の手が紗織の衣服の境目を弄った。


「お止めください!!」


漸く立ち上がった実和が、しがみ付いてその手を止める。


「邪魔するな、実和!! お前も殴られてぇのか!?どけ!」


「どんなに殴られようと離れませんわ!
 これ以上、紗織さんに指一本触れさせません!」


実和は必死で、精司を抱きとめて制するその両腕に力を込める。
しかし精司の振りほどく力に敵わず、あっけなく畳の床に薙倒されてしまう。
綺麗に並んだ白い歯を、きりりと強く食いしばって
また立ち上がろうと実和が上体を起こす。


「なんだぁ? 実和、お前が代わりに相手してくれんのかぁ?」


床に伏して、乱れた着物の裾から覗き出た実和の白い脚に目を細めて、
精司はゆっくりとベッドから降り立ち上がった。

上体を捻って身を起こし、僅かに震えて自分を見上げる実和の横に
精司はしゃがんでその顔に手を掛けもっと上へと上げさせる。


「くっく 相変わらず綺麗な顔してやがんな。身体はどうかなぁ?」
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