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第9章 9
「どうだぁ?久しぶりに味わう男のチンポの味はぁ。
 なんだよ、気持ちよくて声も出ねぇのかぁ?」


実和は必死で優しかったころの精司を思い出そうとしていた。

代々、津々井家に仕えてきた家柄に生まれ育った実和は、
幼いころから津々井家の使用人として粗相の無いよう、徹底的に教育されてきた。
学校の義務教育もほぼ終え、本格的に奉公に出たのは十五の時だ。

実和が精司に初めて出会ったのは、彼がまだ八歳の頃。
既に冷たい空気を身に纏っていた兄の雅斗とは対照的に
はにかんだ笑顔を時折見せる内気な少年だった。

見目もその鍛えぬかれた立ち振る舞いも、
十五にして既に洗練された美しさを備えていた実和に
色好きの先代はすぐに目をつけた。
主人の言いつけは絶対、命令には従えと、そう教え込まれてきた実和には
逆らうような意思の選択は有り得ない。
夜、寝所に来るよう言い渡されれば、実和は風呂で身を清めてから出向き、
失意に歯を食いしばりながら自ら股を広げた。

二子目の出産後肥立ちが悪く、若くして亡くなった先妻の後に娶った
外見はぱっとしないが家柄は申し分ない彼の本妻を差し置いて、
津々井家の主は実和の身体に夢中になった。


「うハァッ・・・あウッ・・・うっ・・ああっ・・・・・・」


身の奥底に苛烈に打ち付けられる肉杭に
実和の思考が断ち切られて、唇から切ない叫び声をあげた。


「いい・・感じに ・・締め付けるなお前のここはぁっ・・・」


精司が後ろから激しさを増して突き上げる。
膣内の肉壁を抉るように荒々しく腰を振る。
思えば先代もこの獣的な体勢が好きで、いつもこの体位で嬲られた。
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