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第9章 9
毎晩のように続けられる主との不道徳な営み、
その主の目を盗んで執拗に行われる嫉妬深い後妻の陰湿な虐め。

気丈な実和もそれには耐え切れず、絶対に人の目につかない
屋敷の庭の奥の木々の影に隠れて泣くことが何度かあった。

人気のないその場所で、声を押し殺して泣いていると
自分の頭部に触れる柔らかく暖かい感触がして、心底驚いたものだ。
見上げると 何時の間に後をつけて来たのか、幼い精司がそこに立っていた。
しゃがみ込んだ実和の顔を覗き込んで、
自分よりも遥かに背の大きな実和の頭を
あべこべによしよしと不器用な仕草で撫でた。

自分より七つも年下の少年の、その真摯な優しさは
辛い日々を堪え忍ぶ実和の心にとって、どんなに大きな慰めになったことか。

どうしてこんなに、変わってしまったのだろう?
何が彼をこの破壊的な性格に導いたのだろう?
心の痛みを払うように、自分を撫でてくれたあの優しい少年は
いったい何処へいってしまったのだろう?

この行為が少しでも、昔の精司を取り戻すような慰めになるのだとしたら
自分は喜んでこの身を渡すのに。


「あぅッ・・・はぁ・・・あっ・・・あっ・・はァッ・・・・・」


自分の内壁とその心壁を擦られて、実和の意識は段々と白濁し始めた。

何時の間にかその激しく肉の楔を叩きつけられる秘裂から
自分でも驚く量の愛蜜が溢れ出て、
じゅぶりじゅぶりと音を発する酷く淫らな音源と成り果てている。

快感の溢流が意識の堰を切って雪崩れ込み、
目の前の景色が色を脱ぎ去って輪郭も失う。
自分の居場所が何処で、今何をしているのかでさえ よく分からなくなる。
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