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第10章 10
「めちゃめちゃにしてやるよ、お前を
 雅斗の奴のならば余計に」


紗織は自分を見下ろす精司の目に、
どす黒く渦巻く憎悪に似た劣情を感じて身を竦ませた。


「何故?何故、それ程までも雅斗様をお憎みになるのですか?
 お母様は違えど、ただ一人の血を分けた兄弟ではありませんか!」


実和が精司の背中に切な声を掛ける。
その瞳が深い悲しみを宿してじっと見つめる。
精司は実和の声を聞くやいなや振り返って叫ぶ。


「・ざけんな!!そんなものクソ食らえだ!!
 俺は死ぬ程 嫌いなんだよぉ あいつが!!

 地位も、名誉も、財産も、金も、全部あいつだ!!
 長男だの後継ぎだの次期社長だの! チヤホヤされて偉そうに!!」


「この時勢に、単純な世襲などあるとお思いですか?!
 雅斗様がお認められになったのは、
 ただその能力が、誰よりも優れていらっしゃった 其れだけです・・・!」


紗織に覆い掛かろうとしていた精司が、
顔面から怒りを赤く噴出させて、実和に振り向き歩み寄る。


「うるせぇンだよッ!!! お前まで雅斗雅斗!
 そうだよ お前までもあいつは手に入れてんじゃねぇかッ!!

 あいつは何も優れてなんかいねぇっ!
 たかが先に生まれたぐらいで、全てを手に入れやがって!!!」


歪んだ怒りの矛先を、上体をようやく起き上がらせた実和へと向ける。


「あぐっ・・・・・」


怒声をあげる精司に腹部を蹴り上げられ、実和は畳の床に細身を折り曲げて、
かみ締めた歯の隙間から くぐもった呻き声を漏らす。


「何てことを!!やめて!やめなさいよ!!!」


余りにも暴力的な精司の仕打ちに、紗織は居た堪れず叫び声をあげる。
精司はぴたりと動きを止めて紗織を見やると、
自分の足元で 変わらず哀情に満ちた眼差しを向ける実和へと
歪んだ微笑を浮かべて見下ろした。
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