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Secret space
第10章 10
「そんなに、不思議がることか?
 お前がどういう育て方をされたかは知らんが・・・
 俺は物心つくかつかないかのころから、身代金目当ての誘拐を恐れた親父に
 あらゆる護身術を、毎日嫌と言う程、身体に叩き込まれたんでな。

 お前、自分の親にこうやって 骨を 折られたことがあるか?

 俺は ある」



ボ ギ・・・ッ・・・


「ギヤアアアァァッッッ!!!!」


折れる と思った瞬間に、自分の身体の骨格が嫌な音を響かせるを聞いた。
気が遠くなりそうな激痛に、精司は絶叫した。


「ウああああっッ!!!折りやがった!折りやがった畜生ッッ!!!
 ォオ俺にこんなことしていいと思ってんのかッ?!!
 幾ら貴様でもお袋が黙っちゃいねーぞッ・ッ・・・あが・・あがが」


折れた腕を痛めつけられさらにもう一本を捩じ上げられて、
精司は口の端に小さな泡をつくって喘いだ。


「津々井家の当主はとっくに俺だろ。
 何故今更、継母の顔色を気にしなくてはならない?
 なんならもう一本の腕も圧し折ってやろうか・・・?」


「・・・あぐ・・・が・・・ぁ・・・・・・・・・」


生まれて一度も味わったことのない激痛に精司の意識は濁り、
男の声が遠くに聞こえ、その視界が閉ざされていく。


「・・・気絶したか。 薄弱なやつだ。
 おい、正平。俺がこいつを殺してしまう前に
 俺の目の前から早く連れ出せ」
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