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Secret space
第11章 11
「・・・何と言ったのかね? 私の聞き違いとは思うが・・・」


 やっと昼食に招待するのに漕ぎつけた娘の婚約者に
こっちも暇ではないのだぞと心中で舌打ちしながら、
和やかな笑顔を見せ付けて笑った金森順造は、
目の前の男の予期せぬ言葉に耳を疑い、しばしその笑顔を顔に張り付かせた。

二十畳程の広さの応接間はノルウェー製の家具調度で統一されており、
壁には日本でしか通用しない某大家の油絵がかけられている。
足元にはしっかりとした弾力の落ち着いた色の絨毯が敷かれていた。


「ですから、婚約の話は無かったことにして頂きたいと申し上げたのです」


男はそんな順造の様子に構いもせず、さらりと口にした。


「な、何を言い出すんだね?雅斗君。
 この話は亡くなられた君のお父さんの意思でもあるんだぞ?
 それを君は――」


「ええ。貴方が親父に、この くだらない約束を取りつけた時は
 まだ利用価値もあったのですがね。今は足を捕られるだけです」


そう言って男は、冷ややかな視線を順造に送る。


「何を失礼な! 君のその態度、今後うちの取引に不利益が出ても
 構わないつもりか?!」


顔を怒りで染めて、声を荒げる順造に、男がすかさず答える。


「その様な心配は無用です。
 貴方の会社との取引ならばとっくに、
 打ち切る方向で決定しておりますので。

 それに、娘を武器にして 勢力のあるうちに取り入ろうとする
 余りにも陳腐で古典的な魂胆など、見え透いていますよ」
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