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第13章 番外 前編
もう一度、唇を押しつける。
同時に胸の頂の桜色の突起を探り当てると、指先できゅっと摘んだ。

早織は、声こそ険しく厳しい口調だったが、身体の横に置いた腕は
雅斗の侵入に抗おうともせず跳ね除けようと動かず、力無く投げ出したままだった。
この状態で無理に足掻こうとすれば、かなりの高確率で発作が起こってしまうのを恐れていたし、
足掻いてみせたところで、行為を止めさせる抗力にはなり得はしないと知っていた。

大きく開いた袂から、両手が肌の上を這い、
胸の膨らみを撫でまわしては、先端の、まだ柔らかい突起を何度も指で弾いた。


「んん・・・・くっ・・・・・」


敏感に立ち上がり始めたところで、胸全体を手のひらで包み込みながら指で挟む。
指に断続的に力を入れて刺激しては、素肌の滑らかさを手で味わう。
押し付けられた唇は、幾度も早織の唇を吸い上げた。

早織の胸の膨らみに触れる雅斗の手は、ゆっくりとした動きで恐ろしく優しげであったが、
唇に繰り返される口付けは、目の回るほど荒々しいものだった。

胸の柔らかな弾力を堪能した手のひらが、
白くなめらかな腹の皮膚の上を撫でて、徐々に下腹部へと向かっていった。


「覚悟するのね、雅斗」


早織は冷ややかに そしてはっきりとした口調で言った。


「それ以上を私は許さない。
 私は決して、許さないわよ」


肌の上を這う雅斗の手が ぴく と止まった。
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