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Secret space
第13章 番外 前編
少女の声は続く。
「そう・・・私がこんな体だから、病院にいる間、寝込んでいる間、
私の手の届かないところで折檻は続いていた・・・。
あの子が中学に入った頃かしらね。ようやく、不自然な怪我が止んでいったのは。
たぶんあの子の力が強くなったのよ。ぐんぐん背も伸びていったから。
今でもたぶん・・・・あの子は、 あれが折檻だったなんて思ってないかも知れないわ。
そのぐらい純粋な子なのよ。
人を憎むことを知らない子。 自分以外はね・・・
だからきっとグレたりしなかったのよ。
ほら、非行に走るっていうの?あれってグレるって言うのでしょう?」
早織はおどけるように肩を僅かにすくめて見せた。
「ええ・・・」
実和は口元だけを僅かに綻ばせた。
すう と細い溜め息を吐いて、早織は小さく呟く。
「・・・・お父様も可哀相な人。でもその犠牲になった雅斗はもっと可哀相」
そう言い終えて、はっとして、実和を仰ぎ見る。
「ごめんなさい。貴女も被害者の一人ね。形は違っても雅斗と同じ。
父を許してとは・・・とても言えないけれど・・、
心が歪んでしまった可哀相な人なのだと哀れんで どうか憎まないであげて?」
「そう・・・私がこんな体だから、病院にいる間、寝込んでいる間、
私の手の届かないところで折檻は続いていた・・・。
あの子が中学に入った頃かしらね。ようやく、不自然な怪我が止んでいったのは。
たぶんあの子の力が強くなったのよ。ぐんぐん背も伸びていったから。
今でもたぶん・・・・あの子は、 あれが折檻だったなんて思ってないかも知れないわ。
そのぐらい純粋な子なのよ。
人を憎むことを知らない子。 自分以外はね・・・
だからきっとグレたりしなかったのよ。
ほら、非行に走るっていうの?あれってグレるって言うのでしょう?」
早織はおどけるように肩を僅かにすくめて見せた。
「ええ・・・」
実和は口元だけを僅かに綻ばせた。
すう と細い溜め息を吐いて、早織は小さく呟く。
「・・・・お父様も可哀相な人。でもその犠牲になった雅斗はもっと可哀相」
そう言い終えて、はっとして、実和を仰ぎ見る。
「ごめんなさい。貴女も被害者の一人ね。形は違っても雅斗と同じ。
父を許してとは・・・とても言えないけれど・・、
心が歪んでしまった可哀相な人なのだと哀れんで どうか憎まないであげて?」