この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Secret space
第14章 番外 後編
実和の静かな足音が消えて、部屋を静寂が支配すると、
早織はベッドに身を横たえたまま ゆっくり息を吐いて、
火鉢の前の坐椅子に腰掛けていた雅斗に向かって話し掛けた。


「ねぇ、雅斗。お願いがあるのだけれど」


早織の声に、雅斗は読みかけの本を膝に置いて振り向く。


「私をこっそり、外に連れ出してくれない?」


雅斗は眉根を寄せる。


「外は雪がまだ降っている。身体が冷えるのは良くないだろう?」


「ねぇ 雅斗 お願いよ。 私をこの部屋から出して。
 聞いてくれるって約束した筈よ。
 今がその時なのよ」


じっと見つめる早織の視線を受け止めて、雅斗は腰をあげる。

早織にしっかりと重ね着をさせて厚い綿入りの羽織を着させて、自分もコートを羽織る。
どこからか長靴を引っ張り出してきて用意すると、ベッドに横たわる早織を抱き起こし
部屋から出ると、縁側に座らせた。
厚い靴下の上に靴を履かせ、自分は長靴を履いて早織を背負う。

生きた人の身とは思えない背中の早織の軽さに、少し 胸が痛んだ。


雅斗は静かに問い掛けた。


「何処へ行きたい?」



「あそこ」


早織の白い指先は真っ直ぐと指差していた。


__________
/303ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ