この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Secret space
第14章 番外 後編
「ほら。見て、雅斗。見て。

 こうするとほら、桜の花が木から散っていくよう。
 空から降り落ちる雪が、まるで
 風に舞いながら散りゆく桜の花びらのよう」


雅斗も促されるまま一度、桜の枝越しに空を仰ぎ見た。
冷たい雪の破片が、視界に影を落として鼻先をかすめる。
それは散りゆく桜の花弁に似て、山の上から吹き降ろす風に舞い上がっては降り落ちる。


「私には見える 満開の桜。咲き乱れては散る美しい花。

 今、私はその下に、居るのだわ。

 なんて 綺麗。
 私、これを見たかったの。



 ・・・不思議ね。 本当は 死ぬのは ずっと怖かったのだけど、
 今はちっとも 恐ろしくないわ。

 ありがとう、雅斗。

 大好きよ」


悲しげな顔をして、自分の身を抱き起こす少年に
穏やかに微笑みかけ囁いて、
早織はうっとりと目を閉じた。

雅斗は、きつく早織の身体を抱きしめ
しばらくその場で 空から舞い落ちる雪を睨み付けるように見ていた。

腕の中の消え行く体温が 完全に感じ取れなくなる、
最期の その瞬間まで。
/303ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ