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Secret space
第14章 番外 後編
冷えた早織の身体を再び背に負ぶって
屋敷に戻った雅斗を待ち構えていたのは、
使用人からその知らせを聞いて、怒り心頭に達した父親の姿だった。

怒り狂った父親から 飛び交う詰問と容赦のない拳に、
雅斗は沈黙を守って 何の抵抗もせずに ただ 殴られるままになっていた。

必死で分け入った実和も少なからず打撃を受け、
当主の余りの仕打ちに堪り兼ねた使用人たちが、何とか取り押さえなだめたが、
二人の身体には痣がいくつも痕を残していた。


早織の葬儀はその翌日に、
彼女が愛し 住み慣れたこの屋敷で、ひっそりと執り行われた。

一度 降り止んだ雪は、今朝になってまた降り始め、
白んだ世界を、また更に白く塗り固めようとしていた。

実和は 葬儀の行われる間、雅斗の姿を幾度も探した。
けれども、均整のとれた細い影は何処にも見当たらなかった。


「雅斗様・・・ ここにいらしたのですか?」


実和はそっと声を掛ける。
早織の部屋に 独りぽつんと 黒い詰襟の学生服を着た雅斗が
表情を失くして 庭に深々と降り積もる雪をみていた。


「もうすぐ 出棺なさいます。
 早織様に最後のお別れを・・・」


雅斗は何も答えなかった。身体全ての反応を打ち切っているかのようにも思える。

それを見て、 実和は泣いた。
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