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第14章 番外 後編
「あっ!ああ・・・・」


どうしてそうなってしまったのかは分からない。
理由など きっと在りはしない。

雅斗の 色を僅かに欠いて閉ざされた唇に、己が唇を重ね、
その咥内に夢中で彷徨わせた舌に、静かに 非常に 緩慢ではあったが雅斗の舌が応じ始め
それと同時に、無気力に身体の脇へと投げ出されたその手を握り締めて、
自分の肌へと誘っていた。

途端に びりりと走った電流が、実和の身体を走り抜けて甲高い声をあげさせたことで気づいた。

一瞬で はっと我に返って、自分が取った余りにも不条理な行動に
今更ながら驚いて顔を赤らめる。
股の間の僅かに湿気を帯びる場所に、雅斗の指先が触れる。
びくんと身を仰け反らす。
雅斗の着る制服のざらりとした生地と自分の着物とが擦れて音を立てた。

身体が熱い。
晒した肌に冷気は溶ける。
外では細雪が舞っている。
凍寒で身を刺して 生き物の生を奪う 美しい結晶の白い雪が。


「ぁ・・・・ん ・・・・あっ・・・・・ああっ・く・・・・あっ」


鼻にかかるような吐息が漏れる。
次第に熱く昂ぶり、蒸気が含んだ息を吐き出す。

どうしてこのような事をしているのだろうかと
戸惑い訝しむ思考は、茫然と漂う熱に押し流されて進まない。
理由もなく張り裂けんばかりに胸に吹き荒れる想いの丈に そのまま従うことに決めた。
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