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第15章 連続四夜 第一夜
「お前を抱きたい・・・」




さんざん その腕の中で、顔中にキスの雨を降らせておいて
男が独りごちるようにぽつりと言った。


「・・・嫌だと言ったら?」


紗織は尋ねた。


「それがお前の本心ならば諦めよう」


男はそっけなく返してまた紗織の額に口付けを繰り返した。


『何だかなぁ・・・・ 何か、調子狂うんだよなぁ・・・・・』


男はあの日以来、キス以上先に進めようとせず、必ず紗織の同意を求める。
慣れない問いかけに戸惑って、沈黙で返すとそれは同意と見なすらしく、体を重ねてくるのだが
拒否の言葉を少しでも口にすれば本当に 何もしてはこなかった。


『私としては ただこうやって お互いの体温を感じ取って
 寄り添って眠れれば、それで良いのだけれど 好いのだけれど・・・・』


「でも、本当はしたいのだろう?」


そんな思考に入っていると、
何時の間にか耳元に降りてきた男の唇からの吐息が、紗織の鼓膜を擽る。


「っ・・・違うわよ! 勝手に決め付けないで!」


慌てて耳を手で庇って、顔を真っ赤に染めて睨み付ける。
ふ と鼻先であしらって男が笑う。


『そーやって いつもいつも見透かすように人のこと見て・・・・』


何となくイライラとしてしまう。この態度、どうにかならないものか。


「何・・よ、ちゃんと、覚えているんだから・・・。
 ・・・私が起きた時、・・・あなた泣いていたでしょう?」


その表情をちらちらと窺いながら紗織は言った。


『どう? 泣き顔見せたなんて 男としてはかなり恥ずかしいはずでしょう?
 プライド高そうなこの男に、これはちょっとした切り札のはず・・・』


「そうだな。俺は泣いた。
 正直、驚いた。俺が記憶する限り、泣いたのはあれが初めてだな」


紗織の言葉に、まるで恥じ入ることなく他人事のように男はあっさりと肯定した。
期待の反応を微塵も得られずに、紗織はがっくりと肩を落とした。


『だめだ・・・ 全然効果なし・・・・・・。

 ああ、神様、どうか知恵をお貸しください。
 私はこの男を、ぎゃふんと言わしめたいのです』
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