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Secret space
第15章 連続四夜 第一夜
男はまだ紗織の身体に入ったまま、
重なるように身を投げて、床に付けた肘で体重を支え、
柔らかな重みを紗織に与える。

身をぐったりと 心身の力を抜いて、
はぁはぁと 肩で荒い呼吸を繰り返していると
身体を征服した快楽は潮のように引いていき、
無感覚な状態から 意識が僅かに起き上がり形を取り戻す。

男は紗織の傍らに身を横たえると、身体に腕を回して抱き寄せてきた。

余韻に浸りながらも薄目を開けて、
呼吸に合わせて上下する男の胸を紗織は見つめた。
そこから聞こえる血流の力強く流れる鼓動が好きだった。
いつかは母親の胎内で絶えず聞いていた音なのだろう。

ふと 顔を上げて男を見遣る。
男は目を閉じていたようだが、紗織の視線に気付いて瞼を開ける。
そこから覗く漆黒の瞳は、この世のどんな暗闇よりも潤って
ぽたりと雫を落とした。

紗織は瞬いて じっと見つめる。
しばらくの間をおくと、男の目の縁に溜まった水が だんだんと膨れてきて
ぷくりと玉を作ると、またぽろりと 少しへこみのある頬を伝って重力に引かれ 落ちていく。


「・・・やだ。 まだ泣いてたの?」


紗織は驚いて、声をかけた。


「泣けと言ったのはお前だろう」


男は表情の無い顔で言う。
そう、きっと 瞳から雫を落としているのと、
目の縁が少し赤くなっていることを除けば、
とても泣いているようには見えなかっただろう。


あれからずっと 男は泣いていたと言うのだろうか。
ということは・・・・
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