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Secret space
第17章 連続四夜 第三夜
遅い夜の帰宅後、
男は真っ直ぐに 紗織の居る寝室に向かった。
部屋に敷かれた布団の中、屋敷の主の帰宅に気付いて身を起こした紗織は
着替えも終えずスーツ姿のままの男の腕に抱きしめられた。
密着した身体の上着とシャツとの間から、煙草の匂いがした。
男は煙草を嗜まない。きっと他所で移った残り香だろう。
でも ひょっとしたら、自分の知らないところで男は吸うのだろうか と紗織は思った。
「今すぐ抱いていいか」
男が問い掛ける。
「既に今、抱いているじゃない」
紗織は即座に言葉を返した。
「・・・・・」
口を噤んだ男を、紗織が得意げな面持ちで見返す。
『ほーら見なさい。
昨日あなたが言った言葉、そっくりそのまま返してあげたわよ』
その胸中で呟く声が、そのまま顔に書いてあるようだった。
無言を守ると思わせ男は 一転して不敵に微笑った。
男は真っ直ぐに 紗織の居る寝室に向かった。
部屋に敷かれた布団の中、屋敷の主の帰宅に気付いて身を起こした紗織は
着替えも終えずスーツ姿のままの男の腕に抱きしめられた。
密着した身体の上着とシャツとの間から、煙草の匂いがした。
男は煙草を嗜まない。きっと他所で移った残り香だろう。
でも ひょっとしたら、自分の知らないところで男は吸うのだろうか と紗織は思った。
「今すぐ抱いていいか」
男が問い掛ける。
「既に今、抱いているじゃない」
紗織は即座に言葉を返した。
「・・・・・」
口を噤んだ男を、紗織が得意げな面持ちで見返す。
『ほーら見なさい。
昨日あなたが言った言葉、そっくりそのまま返してあげたわよ』
その胸中で呟く声が、そのまま顔に書いてあるようだった。
無言を守ると思わせ男は 一転して不敵に微笑った。