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Secret space
第18章 連続四夜 第四夜
「え?! あれ?!何で??」


「何だ」


紗織を抱き寄せている男が煩そうに薄く目を開ける。


「今、朝・・・だよね。何で居るの?ええと、会社は?」


「今日は休む。 既にその様に言ってある」


「・・・大丈夫なの?」


「俺が休んだところでどうという事は無い。その為の組織だ」


男はまた目を閉じる。
紗織は男の胸に埋めていた顔を回して、時計に目をやった。

・・・酷い時間だ。授業の一時間目どころか二時間目がとっくに始まっている。
いつもなら実和が、用意された朝食をゆっくり食べて屋敷を出ても
学校の始業時間まで充分間に合う頃あいを見計らって起こしてくれるというのに。
けれども 今日、実和が起こしに来なかった理由は充分推測できた。

身を起こそうと動いた紗織の身体を、男の腕が制した。


「起きるのか?」


「だって学校―」


「お前も休め。傍に居ろ」

『そんな勝手な・・・』


胸中でぶつくさ呟いても、実は悪い気はしていない。
男に「傍に居ろ」と言われて、心臓の小躍りするほど嬉しがってる自分が何やら情けない。

森林に囲まれて輝く湖畔の絵葉書の写真のように 明るく晴れ上がった空の太陽の光は、
昔ながらの古い造りのために、常に薄暗い雰囲気が漂う屋敷の奥にまでも入り込んで 男を照らした。

陽が地上にある時の男を見るのは、これが初めてではないかと思う。
男が屋敷に居るのは、何時も 辺りはとっくに夜の帳が降りてきて暗闇に支配される夜。
朝は朝で、紗織が目覚めるころには男の姿は既にないのが常だ。
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