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第18章 連続四夜 第四夜
「あっ」


男の手が胸に伸びてきた。
いつも行為の後はそのまま眠ってしまうので、布団の中の身体は当然全裸のままだ。


「ちょっ」

「触り難いな。
 おい。向こうを向け」


「あのね・・・」
「こっちに背中を向けてみろ」


そこだけはまだ夜を閉じ込めたような色の瞳で、じっと 無言で見つめられてしまうと
やはり、言うとおりにしてしまうのは何故だろう。

男が後ろから紗織の背中にぴたりと密着しながら
胸に手を回すとその膨らみを揉みほぐしてきた。


「あっ・・ もう、何でそんなこと・・」

「大きくしてやると言っただろう」


「ふっ・・・うん」


耳元で囁かれると、男の声はまるで綿毛のようで、くすぐったい。
こうやって、胸の膨らみを男の手で優しくこね回されていると、
質量さえ秘めていそうな 何やらもやもやしたものが、頭の周りを囲いだす。


「・ンっ・・」


桜色に染まる突起を指先で弾かれると、そこは反射的にぴんと隆起しだす。
眠っていたはずの心臓は、既に早まった動悸を打ち出している。
男にその鼓動まで握られているような気がする。

暫くの間 ふにふにとした動きで男の手は紗織の胸の双丘を弄んでいたが、
精密に込められていた力は徐々に弱まってやがて止まった。

反感を持ちながらも、いざ手の動きを止められてしまうと、
もっと触れられていたいと思ってしまう自分が居る。


『ああ、もう。
 ・・・最近つくづく思い知らされるんだけど・・・
 私って実はとんでもなくエッチなんじゃあ・・・』


背後から聞こえる静かな呼気音を確認する。


『これって・・眠ってるよね・・。 うん、たぶん また眠っちゃったんだ』


紗織は、男の眠りを妨げないよう細心の注意を払いながらも、
未だ自分の胸の上に置かれた手を外させると、身体をゆっくり反転させて男と向き直った。
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