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第18章 連続四夜 第四夜
そうやって紗織は、男の寝顔を見つめる。

眠りに意識を獲られて静かに沈黙する容貌は、
男に常に装備されているものが振るい落とされ、まさに素の状態にとなっているように思える。
何の装飾を持たないかわりに、シンプルで無駄が無い。
だから酷く魅力的に見えるのだろうかと、紗織は考える。

思わず、手で触れてみたくなって、眠っている男の顔に手を添えてみた。
すると、薄く閉じられたままの口元が微かに綻んだ。


『あ、笑った』


もう一度手を伸ばす。手のひらで頬を包む。その中で男が微笑む。


『ふふ・・面白い』


しばらく、そうやって撫でては、男の柔らかな表情を見つめていた。


『いつも、こうやって笑えばいいのに』


紗織はそっと身を起こすと、
既に枕元に用意された衣服を身に付け、男の眠る部屋を後にした。


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