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Secret space
第18章 連続四夜 第四夜
紗織はそっと近寄ると、男の振り向いたその顔にキスをした。
唇を味わって、自分から舌を絡める。
何時もよりぎこちない男の反応に、やっぱりやめておけばよかったかなと思う。

でももう止めることは選択肢に無かった。


『私って凄く嫌なやつだ・・・』


男の首に抱きつくように腕をまわすと、その唇を貪った。
舌を突き出して口腔を侵食すると、そこに在るぬめった男の舌は、
深く絡まって紗織の中にも入ってきた。
くん と男の舌と一緒に入り込んだ唾液を飲み干す。
身体の奥から火が点る。
その熱がますます勢いを助長して、歯止めを利かなくさせる。
熱中してしまえば、気を揉まなくてすむ。

紗織は、はぁと息を吐いて、重ねた唇を放すと、
男の身体にしがみつきながらも ずるずるとさがって、床に膝を突いた。

ちょうどその部分に顔が位置する。
口を開いて、歯でカチリとチャックを噛むと、チリリと引き下ろす。
同時に手も使って男の服を脱がす。
獲物の肉を引き裂くように、その足元まで口で引っ張り下ろした。

どこか冷めた目でその様子を見ている自分が居るのを感じる。
奇天烈な行為に走った自分の様子に嫌悪し眉を寄せ、酷く呆れ果てている。

とても信じられないけれど、こうして男を剥き出しにしているのも、また自分だ。
男と決して目線を合わせない。その表情を確認するのは怖い。

沈黙したままの男の、下半身に指をからめてきゅっと愛撫して、
男の引き締まった内股に沿ってぺろぺろと舌を這わしていると、
欲情的な硬さと灼けるような熱さが手のひらに伝わってきた。


『ああ、 そっか
 私がされて気持ちいいことは、たぶんこの人にも気持ちいいんだ』


紗織はすぐにそこに吸い付くことはせずに、内腿から舌をその付け根へと走らせる。
硬く張り詰めた勃起の少し上向きのラインを指でなぞりながら、
柔らかく温かな感触の袋の部分にも丁寧に舌で愛撫する。
唾液でぬらぬらとまみれると、口付ける場所から自分の匂いがして羞恥心が沸き立つ。
振り払って、もっと没頭するよう心にけしかける。
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