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Secret space
第4章 4
「いいか。 お前は、俺の ものだ」




 そう囁いて出て行った男の足音が聞こえなくなると、
部屋はしんとした空気を取り戻した。
白いワンピースから、形のよい胸をはだけさせ、
腰までたくしあげられたその裾からは、スラリと伸びた両脚を無造作に投げ出して
紗織はまるで、床に投げ捨てられた人形のように動かなかった。

精液にまみれた膣が、激しいSEXの余韻を思い出すかのように、時折ひくついている。
下腹部だけが、まだ燃えるように熱い。
どうしてもすぐには、起き上がる気にはなれなかった。

見慣れない高い天井を見上げて、そっとまばたくと、
瞳から溢れた一筋の涙が、頬を伝い落ちていくのがわかった。
自分の体から何かが零れ落ちていく感触に、
ようやく紗織の思考は正常を取り戻していった。

 一体、自分の身に何が起こったというのだろう。
つい先日までは、ごくごく普通の、当たり前の生活を送っていたはずだ。
家ならきっと今頃は、いつも遅い夕食が済んだころだ。
母と一緒に食器を片付けながら、

『今日の煮物、ちょっと味が薄かったねぇ』
なんて母が夕食にケチ付け出して

『そうかな、でも前教えてもらった通りにしたつもりなんだけど?』
と私が言い返して。
居間では父が、酒を片手にテレビを見ていて。

『父さん、昨日より呑むお酒の量、増えてない?』

『ほんと、困ったわね。他のお酒の瓶、捨ててしまおうかしら』

『だめだよ、それじゃあ代りを買いに行かされるだけ。
 それより水で薄めたらいいんじゃない?』

『しっ こら、聞こえちゃうわよ』

 なんて二人でこっそり笑って。
 笑って。


「帰りたい・・・」


紗織は思わず呟いた。


「家に、  帰りたい・・・・」


口に出してしまうと、急激に胸が締め付けられて、
紗織はついに、床に突っ伏して泣き出した。
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