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第4章 4
「やだ!やっ・・やめてこんなところで!」


 蜜壷あたりに男のものが当てがわれるのを感じて我に返り、
水飛沫をあげて前に体を倒して、男から離れた。
性行為を終えたばっかりで濡れていると言っても、
本格的な愛撫はほとんどされてない。
しかもお湯の中での挿入は、紗織に恐怖心をもたらした。

男は離れようとする紗織の、肩を掴んでこちらに振り向かせると、
紗織の両脚の間に無理やり分け入り、
湯船へと沈みこみそうな身体を抱きかかえて浮かせると、
紗織の中を押し分けて一気に挿入した。


「あああっ・・ッ!!」


 貫かれた衝撃で、紗織は思わず男の体にしがみついた。
すぐにその手を離したかったが、
男に身体を支えられ、お湯に浮かんだ状態で身体を突かれると、
どうしようもない浮遊感で、そのまま男に抱きつくしかなかった。
その背中に手を回すと、浮かび上がった筋肉のこぶに爪を立てた。


「やっ・・・ああん・・・ああ・・・・あっ・ああっ・・」


 男が腰を使うたび、ぱしゃんぱしゃんとお湯が波打つ。
広い浴室はよく音を反響させて、
部屋中に自分の淫らな声が響き渡るのがわかった。


「あう・・・んう・・ううん。く・・・・ひっ

 ・・・ああっ・・・はぁあ  ひあ・・ああんっ・・・」


羞恥心が余計に掻き立てられ、声を抑えようと息を抑えるが、
お湯に漂いながら、男の卑猥な腰使いで、硬い肉茎を一番奥まで押し込まれると、
すぐに身体中が快感で満たされて、声が止まらず口から溢れた。


「はあっ・・・んく・・ううあ・・・あっ。ああっ・・・ああっ」


頭とは裏腹に、しっかり男の肉棒を受け止めて、悦びの声を洩らす自分に
胸の奥からむかむかしたものが、競り上がるほどの嫌悪感を覚えた。


「ああっ・・・いやだぁぁ・・あ・・いやっ
 ちっ・・・があう・・・・ちが・・・ああっ・・ぁぅっ・・・

 わたっ・・しはあんたの・・・っ もの・
 ・・なんかじゃ ないイッ!」


 このすべてを否定したくて、 必死で声をあげて叫んだ。
胸のむかむかが、眼にまでに達して、大粒の涙が、零れ落ちた。
男に手も足を絡ませしがみついて、何度も身を貫かれているこの格好からでは、
どんなに否定しても真実味が無いのはわかっていたが、
この男に、拒絶の言葉をあげられずには居られなかった。
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