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Secret space
第5章 5
男のこの行動が、まったく理解できなかった。
押し倒されて、SEXを強要されることのほうが、よっぽど理解できた。
こんなことをしても、この男には何の得にもならないというのに。
もし、万が一、ひょっとしてもしかして、紗織を喜ばせようという目的なら、
紗織が眠っている時点で、その効果はなくなる。
寝たふりがバレてはいない自信はあった。
(そもそも私は喜んでなんかいない。
ただ混乱させるだけじゃないの。
でも)
嬉しいとういう感じはしても、嫌だという感じがしないのは事実だった。
激しく葛藤しても、それを認めることはどうしても出来なかった。
すぐに、全身で、他人の体温を感じるというのは、
それが誰であったって嬉しく感じてしまうものなんだと思い直した。
でも本当にそうだろうか。
状況を置き換えて考えてみる。
(これが母さんだったら、やっぱり嬉しいし、父さんだったら、それも 嬉しい。
小さいころはよく一緒に眠ってもらってたし・・・・って
ええと、もっと他の例。
よく道ですれ違うだけの、まったくの赤の他人とかだとしたら・・・
気持ち悪いよね、それってやっぱり。
でも、この男だって、名前も知らない赤の他人で、
そう昨日、出会ったばっかりだ。
あれが出会いだと言えるなら。
・・・なのになんで、こんな気持ちになってるの?
まるで 冷たい海の中で、一人きりで、当てもなく遭難している所を
手を伸ばされ、助け出されるような感じ。
その海に放り込んだのは、誰でもないこの男だって言うのに!)
なんだか情けなくて、泣きたくなるくらい胸が苦しく詰るのだけれど、
とくん とくん と、一定のリズムで打ち出される、
男の胸から聞こえる鼓動を聞いていると、いつしかそれも消えてしまう。
押し倒されて、SEXを強要されることのほうが、よっぽど理解できた。
こんなことをしても、この男には何の得にもならないというのに。
もし、万が一、ひょっとしてもしかして、紗織を喜ばせようという目的なら、
紗織が眠っている時点で、その効果はなくなる。
寝たふりがバレてはいない自信はあった。
(そもそも私は喜んでなんかいない。
ただ混乱させるだけじゃないの。
でも)
嬉しいとういう感じはしても、嫌だという感じがしないのは事実だった。
激しく葛藤しても、それを認めることはどうしても出来なかった。
すぐに、全身で、他人の体温を感じるというのは、
それが誰であったって嬉しく感じてしまうものなんだと思い直した。
でも本当にそうだろうか。
状況を置き換えて考えてみる。
(これが母さんだったら、やっぱり嬉しいし、父さんだったら、それも 嬉しい。
小さいころはよく一緒に眠ってもらってたし・・・・って
ええと、もっと他の例。
よく道ですれ違うだけの、まったくの赤の他人とかだとしたら・・・
気持ち悪いよね、それってやっぱり。
でも、この男だって、名前も知らない赤の他人で、
そう昨日、出会ったばっかりだ。
あれが出会いだと言えるなら。
・・・なのになんで、こんな気持ちになってるの?
まるで 冷たい海の中で、一人きりで、当てもなく遭難している所を
手を伸ばされ、助け出されるような感じ。
その海に放り込んだのは、誰でもないこの男だって言うのに!)
なんだか情けなくて、泣きたくなるくらい胸が苦しく詰るのだけれど、
とくん とくん と、一定のリズムで打ち出される、
男の胸から聞こえる鼓動を聞いていると、いつしかそれも消えてしまう。