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ごほうびエステ
第1章 初回利用 無料
「へぇ…無料…」

会社からの帰り道
新しく出来たエステの前の看板をなんと無しに眺めながら

大きく書かれた無料の文字に足を止めた。

たまには自分にご褒美を...そんな話をよく聞く。

ただエステはピンからキリがあるし
そんな気軽には行けない。

そんな彼女の目の前で

『今なら初回完全無料!特別コースあり』


そう書かれた看板が輝く。

無料なら無料なりの
理由が必ずあるのだが

それを覚悟した上でサービスを受けるのであればなんら怖いことはない。

この時までは....

受付で迎えてくれたのは一人の若い男性
流石に一歩後ずさりしてしまう。


「女性のスタッフさんは?」


「当店は男性対応となっております」

少し考えつつも
男性の力でマッサージされるのも悪くないかもしれない。

「お願いします」
小さく会釈すると
そこからプランとか気になるところとか
色々気になるところを聞かれた。


「脱いだ衣類とお荷物はこちらのロッカーに入れて、鍵はお客様のほうで持っていてください。こちらが施術中にはいていただく下着とはっています」


更衣室でもらった施術用の下着をみると
紙の素材で作られてるブラとパンツだった。

早速、着替えてみると
ブラは隠す部分が乳首だけ
パンツはティーバック

ほぼつけてないようなものかもしれない。

もしかしたら途中で破れてしまうかもと心細くなる。

いろんな感情が混ざりつつも
一緒に添えてあった短めのバスタオルを巻いた。


手持ち無沙汰に施術ベッドに腰掛けていると

個室のトビラのノック音がした。
「お着替えはお済みでしょうか?」

「は...はい」

ゆっくりと扉が開くと
先程の受付の男性が立っていた

「改めまして、本日エステを担当させていただきます。栗山と申します。よろしくお願いします」

私は、思わず腰掛けていたベッドから立ち上がって
栗山さんのおじきに合わせて会釈した。
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