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女教師の神秘
第15章 準備完了
「拓磨! 相談室においで」

教室のドアが開くと詩織が、いつになく興奮したように拓磨に声をかけてきた。

「なんかしでかしたのか?」とクラスメイトから茶化す様な罵声が飛んだ。

怒られる事はここ一年以上記憶に無い。拓磨は取り敢えず相談室に向かった。

「拓磨やったぞ!」

詩織の叫ぶ様な声が飛んできた。

「どうしたんですか?」

拓磨は一向に内容が掴めないでいた。

「留学奨学金の承認がおりたんだよ!4月からオークランド大学の生徒だよ」
「本当ですか?」

詩織は大きく頷いて見せた。

「今夜はお祝いのパーティーだぞ」

詩織が自分の事の様に喜んでくれているのが、拓磨には一番嬉しかった。
その夜、二人は有名ホテルの一室で食事をしていた。

「本当は展望ビッフェと思ったけど、卒業するまでは人目は避けないとな」
「そんな、これでも十分過ぎるくらいですよ」

拓磨は笑顔で感謝の気持ちを表していた。

「拓磨、3年間よく頑張ったね…本当凄いよ」
「ありがとうございます。みんな詩織さんのおかげですよ!」
「これ私からのお祝いね」

そう言って詩織が小さな封筒を手渡した。
中にはニュージーランドまでの航空券と住所と電話番号の書いた手紙だった。

「飛行機は卒業してから2週間後、住所は拓磨の住むところよ。私の父に言って用意しても
らったの。家賃は要らないから、思いっきり大学生を楽しめるからね」
「詩織さん…」

拓磨の目に涙が浮かんでいた。拓磨にとって生まれて初めての感極まった瞬間だった。

「何よ…私と離れるのが、そんなに寂しいのかな?」
「それが一番ですね…」

拓磨は無理矢理笑顔を作って誤魔化した。

「今夜は私が、たっぷりサービスしてあげる」

詩織はそう言って妖艶な笑みを浮かべた。



To be continued‥‥
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