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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第17章 疼き②
(あの人のようには……いかない……)

 はあはあと乱れた息を吐きながら、自分では望む快楽を得られないのだとがっかりしたその時、

「フィーネ、何をしている」

「きゃぁっ!」

 突然背中にかけられた低い声、そして肩を掴む誰かの手の感覚を感じ、フィーネは驚きの声を上げた。

 肩を掴む手に力がこもり、無理やり後ろを振り向かされる。
 そこには、

「あっ……ああっ……ま、まおうさ……ま……」

 先ほどまで、想像の中で自分を弄んでいた魔王の姿があった。もちろん、本物だ。
 自分が妄想の中で、この男に何をさせていたのかを思い出し、フィーネの顔が熱を帯びる。

 慌てて足を閉じ、露わになっていた腿を服で隠した。
 しかし自分の指先が、不自然なテカりを放っているのに気づき、拭うものがないかと慌てて周りを見回す。

(な、何か拭くものを! いえ、今はご説明が先……)

 しかしこんな状況、どう説明しろというのだろう。
 
 混乱しつつも、とにかく何か言わなければと口を開こうとしたが、先に動いたのは魔王の方だった。
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