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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第20章 疼き⑤
 彼女の反応を見ていた魔王は、少し自虐的に瞳を細めた。

「私もお前のことは言えない。お前を抱けない間、一人で慰めていた。お前の綺麗な顔が淫らに歪み、私を求めながら声をあげるのを思い出しながらな……」

 魔王の手がフィーネの手の甲と重なった。
 そのまま彼女の手を使って、硬い膨らみを撫で始める。

 服の上からとはいえ、初めて触れる男の象徴に、頭の中が一杯になってしまう。

(あ……触れば触るほど、熱く硬くなって……)

 恥ずかしさから後ろを向けないが、手は教えられるがまま主人の気持ちの良い部分を刺激し続けた。

 魔王の呼吸が情欲の混じった熱い吐息へと変わり、時折堪えきれずに喉の奥から色のついた声が洩れる。

 恥ずかしくも、主人が自分の手で気持ちよくなっている嬉しさが勝り、フィーネは自ら手を動かし出した。

 自分を抱きしめる腕が快楽に耐えるよう震えるのを感じながら、尋ねる。
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