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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第23章 疑問①
 あの日を境に、魔王はフィーネと寝室を共にするようになった。

 どれだけ遅くなっても、魔王は必ず離れを訪れる。
 フィーネも眠らず、主の訪問を待つ日々が続いた。

 ドアのノックと、優しく自分の名を呼ぶ声が聞こえるのを、今か今かと心待ちにしながら。

 そして毎晩のように求められ、止まることなく与え続けられる快楽を甘受し、疲れ果てて眠る。
 窓から差し込む光と、自分を抱きしめる太く逞しい腕の中で目覚める。

 そんな毎日を、フィーネは穏やかな気持ちで受け入れていた。

 彼女の行動範囲も、広がっていた。
 フィーネ自身、外に出るのが怖かったのもあり、離れと庭しか出たことがなかったのだが、アンジェラの勧めもあり、今では魔王の住まう城にまで行動範囲を広げている。

 もちろん彼女に負担をかけないよう少しずつではあるが、今までのことを考えると、大きな進歩だと言えた。
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