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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第24章 疑問②
 言葉の後半には怒りが混じっていた。フィーネにしては珍しく、憤っていたのだ。

 しかしすぐさま女神を冒涜する発言を恥じ、何も言えなくなった。
 これでも一応、聖地で暮らしていたのだ。

 彼の存在への信仰は、それなりに厚い。

 口元に薄い笑いを浮かべながら、アンジェラは保温カバーをとった。

「そうですね……でも、もしそれが本当であるなら、あの方の言葉に従って私たち魔族は滅びるだけです」

 ただ静かに滅亡を受け入れる。
 アンジェラの言葉に、フィーネの瞳が見開かれた。

「な、何故?」

「私たち魔族は人間とは違い、女神ピアチェ様と深いつながりがあるからです。女神ピアチェ様の存在があるからこそ、私たち魔族は生きられる。だからピアチェ様がそう望まれるなら……私たちは滅びを受け入れるだけです」

 アンジェラの言葉を聞きながら、フィーネはふと疑問に思った。
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