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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第26章 大浴場①
「フィーネ様? いかがなされましたか?」
「えっ? い、いいえ! 何もありません!」
「そうですか。それならよろしいのですが。お上りになる際は、お声がけくださいませね?」
「は、はいっ! あ、ありがとうございます!」
声がひっくり返るのを何とか堪えながら返答すると、出入り口の影が消え、脱衣所のドアが開閉する音が聞こえた。
アンジェラが、出て行ったのだろう。
ホッと胸をなでおろすと、フィーネは先客に視線を向け、小声で話しかけた。
アンジェラに声をかけられた時とは違う、羞恥からくる激しい鼓動を感じながら。
「ま、まおう……さま?」
フィーネの目の前には、銀髪の男の姿があった。
彼は、唇に当てていた人差し指を離すと、岩陰からゆっくりとフィーネのほうに近づいてきた。
「お前が、私のことをアンジェラに伝えなくて良かった。こんな状況がバレていたら、ややこしいことになっていたからな……」
魔王は、苦笑いしながら大きくため息をついている。
「えっ? い、いいえ! 何もありません!」
「そうですか。それならよろしいのですが。お上りになる際は、お声がけくださいませね?」
「は、はいっ! あ、ありがとうございます!」
声がひっくり返るのを何とか堪えながら返答すると、出入り口の影が消え、脱衣所のドアが開閉する音が聞こえた。
アンジェラが、出て行ったのだろう。
ホッと胸をなでおろすと、フィーネは先客に視線を向け、小声で話しかけた。
アンジェラに声をかけられた時とは違う、羞恥からくる激しい鼓動を感じながら。
「ま、まおう……さま?」
フィーネの目の前には、銀髪の男の姿があった。
彼は、唇に当てていた人差し指を離すと、岩陰からゆっくりとフィーネのほうに近づいてきた。
「お前が、私のことをアンジェラに伝えなくて良かった。こんな状況がバレていたら、ややこしいことになっていたからな……」
魔王は、苦笑いしながら大きくため息をついている。