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第27章 大浴場②

　激しく脈打つ身体と、乱れそうになる呼吸を堪えながら、フィーネは少しでも魔王から離れようと距離を取ろうとした。

　が、彼女の動きを察したのか、魔王の腕が逃すまいとフィーネの身体を横から抱きしめた。唇を彼女の首筋に這わせると、そのまま耳のほうまで舐め上げる。

「あっ……」

　小さな声を上げ、フィーネの身体がピクリと震えた。ぞわぞわする感覚が、耳元から背中を通り、下腹部を切なく疼かせる。

　タオル一枚越しに感じられる感触に、身体がフィーネの意思とは関係なく悦びに沸き立つのを感じた。秘所がじわっと熱を帯びる。

（さっき執務室で、あんなに激しくされたのに……）

　あれだけ疲れていたはずなのに、身体は再び男を受け入れようと準備を始めている。

　彼の求めに洩れなく答えようとする自分の底無しな欲望に、戸惑いを隠せない。