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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第27章 大浴場②
 そんな彼女の様子に気づいたのか、魔王の綺麗な翠色の瞳が、こちらを覗き込んだ。

「どうした、フィーネ? 嫌なら嫌と正直に……」

「そ、そういうわけではっ! 私の身体が……どんどん淫らになっていくのが恥ずかしくて……さっきもあなた様と執務室で……したばかりなのに……」

「そうか、私のせいだな。すまない、フィーネ。そんな身体にした責任は、ちゃんと取る」
 
「責任など、そんな……んっ」

 全てを言い終える前に、唇が重なった。呼吸を奪われるような深い密着から、互いの口内を侵食し合う卑猥な絡みへと発展する。

 フィーネの口の中に唾液が流し込まれ、思わず飲み込んだ。彼の体液が身体に入ったと思うと、まるで何かの薬を飲まされたかのように、下腹部が熱くなる。

 決して他人と共有することのないものを飲み込む背徳感が、身体の芯を痺れさせゾクゾクと心を震わせる。
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