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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第30章 大浴場⑤
 大浴場に、水が流れ落ちる音が響いている。岩から流れ出ているお湯の音だろう。

 しかしそれは、粘り気のある水音と、途切れることのない喘ぎ声によって、フィーネの意識から消されてしまう。

「んっ、あっんっ……きもちいい……」

 彼女のナカは、魔王の太い指によって、甘く反応する場所を執拗に攻め続けられていた。

 指が抜き差しされる度に、彼女の意識と関係なく、淫らに声が洩れてしまう。

 だがそれを止める術がないこと、そして止める意思がないことは、フィーネ自身がよく理解している。

 先ほどまで愛芽を舐めていた舌は内腿へと移動し、溢れ出た蜜を舐めとっている。

 脳を刺すような鋭い刺激はおさまったが、今度は敏感な内腿を舐められ、肌が粟立つようなくすぐったさがフィーネを襲った。

 内腿から足の方へたどり着いた彼の舌は、ぎゅっと握られたフィーネの足先に舌を這わせた後、足の親指を口に含んだ。
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