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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第30章 大浴場⑤
「すごいな、フィーネ……湯の中でも溢れているのが分かる」

「……んっ、言わないでください……はず……かしい……」

「恥ずかしい? 私は嬉しいのだが。それだけ、お前が悦んでくれているということなのだから……」

 そう言いながら魔王の指が、フィーネの唇をなぞった。
 瞳を細めて言葉を続ける。

「この口は……中々素直に本当のことを言ってくれないからな」

 フィーネは答える代わりに、唇に触れている指にキスをすると、そのまま指先を舌でなぞった。

 主人に見せつけるように舌をチラつかせながら、愛おしそうに何度も舌先ですくう。

(でもあなた様のおかげで少しずつ……変わってきていますから……)

 そう心で伝えながら。

 魔王はフィーネの唇から手を離すと、今にも吐き出さんと熱くなっている自身を、焦らされて限界を迎えている蜜穴に当てた。

(ああ……きた……)

 熱の存在を感じた瞬間、フィーネの身体がピクンと揺れる。
 焦らされ続けた分、悦びと期待が膨らみすぎて、そのことしか考えられなくなる。

 互いの視線が絡み合った瞬間、それは彼女のナカを深く貫いた。
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